ドル建て成績と円建て成績は別の数字
米国株がドルで上昇しても、同じ期間に円高が進めば円換算の利益は小さくなります。反対に株価が下がっても円安によって円ベースではプラスになることがあります。
最初に銘柄の取引通貨、口座の現金通貨、成績を表示する基準通貨を確認します。日本の投資家なら通常はJPYが基準ですが、ドル資産をドルのまま使う目的ならUSD表示も併記する価値があります。
銘柄そのものの動きを現地通貨で測る
株価要因は、現地通貨での期首・期末評価額と配当から計算します。この段階では為替レートを固定し、企業や市場の値動きだけを取り出します。
月中に売買した場合は日ごとの保有数量が必要です。月末保有額へ一律に月間騰落率を掛けると、月末近くに買った株まで1か月保有したように見えてしまいます。
円換算レートの向きを決める
円投資家には「1ドル何円」というJPY/USDの考え方が直感的です。期末レート÷期首レート−1で、ドルの円に対するリターンを求めます。150円から156円ならドル高・円安で4%のプラス要因です。
通貨ペアを逆にすると符号の感覚も逆になります。台帳にはレートだけでなく基準通貨、相手通貨、取得時刻を保存し、株価の評価時刻とそろえます。
株価リターンと為替リターンは掛け合わせる
円建てリターンは、(1+現地通貨リターン)×(1+為替リターン)−1です。米国株がドルで6%上がり、ドルが円に対して3%上がった場合、円建てでは9%ではなく9.18%になります。
差の0.18ポイントは交差効果です。現地株価6%、為替3%、交差効果0.18%、円建て合計9.18%と表示すれば、寄与の合計が総収益へ一致します。
割合の寄与と円単位の為替損益を分ける
為替リターンは割合、為替損益は金額です。円単位の影響は、実際の期末円換算額から、期首為替を固定して換算した仮想期末額を引く方法で確認できます。
途中の入金、買付、売却、配当がある場合は、その日ごとの外貨エクスポージャーを使います。期末残高全体へ一つの月間為替変化を掛けるだけでは、保有期間の短い資金を過大評価します。
計算例:米国株は下落、円では上昇
ドル建て株価が5%下落し、同じ月にドルが円に対して9%上昇したとします。円建てリターンは0.95×1.09−1=3.55%です。
単純な−5%+9%=4%とは0.45ポイント違います。株価−5%、為替+9%、交差効果−0.45%を合わせた3.55%が円で見た結果です。
投資成績、税務換算、実際の両替を混ぜない
円換算の運用成績、外国株譲渡益の税務計算、ドルを円へ両替して確定した差損益は目的とルールが異なります。成績画面の為替寄与をそのまま確定申告額へ転用しないようにします。
為替ヘッジありの商品では、スポット為替に加えて先物損益、金利差、ヘッジコスト、トラッキング差が発生します。ヘッジありという理由だけで為替寄与をゼロにせず、項目を分けて表示します。
Portleで表示する項目と計算根拠
取引通貨と基準通貨、期首・期末レート、現地通貨リターン、為替リターン、交差効果、円建て総収益率、通貨別の金額寄与を示します。レート欠落、古いレート、評価時刻の不一致も監査対象です。
方法論はMSCI Global Currency Indices(msci.com/documents/10199/0b995d45-15ef-4570-9aa0-ef28baa89083)とMSCI Global Fund Reconciliation MethodologyのCurrency Impactを参照しました。Portleは台帳を使い、株価要因と為替要因を一つの不明な損益へまとめずに追跡します。
